写真を撮るのが好きだ。
写真を自分でしょっちゅう撮るようになったのは、この7〜8年くらい前から。私の趣味の中では新参者にあたる。
なぜ、写真が好きになったかといえば、単純だが、写真プロダクション会社に勤めていたからに他ならない。
写真プロダクション会社、というのは、広告用の写真を撮る会社。
この仕事について話せば、ものすごく長くなってしまうので、今回はパスするが、ここで写真の撮り方を学んだというか、面白さを教えてもらったようなきがする。
きょうは、旅先で私がどんなことに気をつけて写真を撮っているかについてお話したい。
Contents
旅行で撮りたい写真はどいうタイプか、を考える。
そもそもどういう写真を撮りたいのかを、ますイメージするのが大切かも。
- 旅行に行った記録を撮りたい。
- 記念写真を撮りたい。
- 訪ねた街の、色、香り、ぬくもりや冷たさ、そしてそこに暮らしている人の表情を感じる一コマを撮りたい。
目的が違えば、撮り方も違う。
私は、いつも3番目のイメージを頭に描くので、ストリート系の写真を狙ってみるか!という方々を中心にお話をすすめていく。
だから、といっては失礼かもしれないが、写真のプロの方、半プロの方の場合は、以下をすっ飛ばして「今日の紹介」を見ていただけるとうれしい。
「わぁ〜!」と感動してもすぐにカメラを構えない。
これって、簡単そうでかなり意識しないとできないですよ、ほんとに。
仕事柄、結構名の売れた写真家とお話させていただく機会あるが、彼らは似たようなことを必ず一番最初に語り出す。
「『感動を写真に』。。。カメラの広告なんかのキャッチコピーになっていると思うけどね、感動を写真なんかにそうたやすく入れられるもんじゃないよ!」
「わぁ〜!」と感動している時にカメラなんか構えたら、もうブレまくりだし、完全に気持ちに飲み込まれてしまっていて、後からその写真を見た時、
「なんだったけ、この写真?」とサクッと削除してしまう運命にあるようだ。
まずは、自分の胸の内で感動をしまくって、落ち着いたところでカメラを構える、が必殺技を使う前の心構えらしい。
でも、できないもん、これって。。。一番難しい心構えだと思う。
小さなな子供が撮った写真はなぜ良い写真が多いのか。
10人子供がいて、そこの達にカメラを渡すと、10人が10人とも驚くような写真を撮っている、ほんとにすごい!
理由は簡単。小さな子供の目線は、かなり低い。
大人が見えていないところを撮影できる。
つまり、大人だって通常の視点ではない視点でカメラを構えれば、面白い写真ができるはず。
通常見ている目の高さを外す、ということ。
だから、低いだけでなく、もちろん、たかぁ〜い視点からの写真も面白い。
背伸びをしたり、這いつくばって写真を撮っていただくだけで、かなり違った面白い写真ができる。
写真を撮るのも楽じゃできないってこと。。。
料理の写真は難しい。
旅行先で料理の写真は絶対に撮りたいはず。しかし、なかなか美味しそうには見えないし、食べた時の雰囲気も思うようには伝わらない。
料理の写真は、ご存知の方も多いとは思うが、野菜の色が美しく保つため、煮くずれしていない生煮えを、お肉は絵の具で焼き色をつけたり、脂乗った焼き魚はラッカーなんかを塗って撮影する。つまり、プロだってできあがった料理を上手に写真に収められないのだ。
だから。。。
料理の写真は画面の3分の2以上は入れない。お皿から覗いている程度に画面に入れる。ピカッと光ったお皿は料理をきれいに見せてくれる。
あるいは、盛り付けが独創的で美しい料理(フルコースのフランス料理とか。。。?)の場合は、真上から全容を入れる。
ポイントはこの二つかも。。。
あっ、もう一点。
夕ご飯ともなると、辺りは暗い。
そういう場合は、写真は潔く諦めて、舌鼓を打つことに集中するのが賢明だと思う。まちがってもフラッシュをたいての撮影はしないように。。。
周囲の迷惑だし、撮った写真は、なんか警察の撮る事件現場っぽいやつになってしまう。。。まぁ、どうしても記録にとどめたいなら別だけど、でもお腹や頭に味を刻んだ方が賢い気ような。。。
カフェの写真は、雰囲気が大事。
周りの様子や人々が背景に入っていると、そのカフェの香りやザワザワした人の動きや話し声まで感じられる画像ができるはず。
このような写真は後で見返しても、コーヒーの香りをほのかに感じたり、耳慣れない言葉が耳をかすめる気がする。
ザ・観光地では記念写真に徹しよう。
ど直球の観光地、たとえば、ベルサイユ宮殿、サグラダファミリア、ディズニーの白雪姫のお城のモデルとして有名なノイシュバンシュタイン城などなどに行くと、興奮する。何が何でも写真を撮りたい。
テレビで何度も繰り返し見たところだし、、「地球の歩き方」で暗記するほど読んだ、その本物が目の前に現れるわけだから、興奮しまくる。
わたしも、サグラダファミリアを初めて見た時には、もう地面に寝転がってでも写真を撮ろうともがいた。でも、ろくなのは撮れていなかった。
こういう所って、建物が非常に大きかったり、ものすごい高さだったり。。。で写真に撮ってもなんだか違う感じ。。。
映画で観るトムクルーズはかなりでかく見えるが、実際には結構ちびっこいおじさん、っていう例は、真逆な例か、笑。
こういう場所で良い写真を撮りたい!と思う方は、性能の良いカメラと三脚を持って、ガッツリと取り組んでいただきたい。
そうでない方は、キャッキャ、と言いながらお城や教会を背景にして記念写真を撮ることに集中した方が絶対にいい。
全貌が映った美しい観光地の写真は、専門の写真家に任せるべき!
多くの人がシャッターを切っている場所では写真は撮らない。
人が見過ごしているようなちょっとした場面や場所を捉えた写真には、ハッとさせられる。
何度も繰り返すようだが、その土地の持つ雰囲気を捉えているからだと思う。
それって、鍛えられた目を持っている人なら、そんな瞬間をスパッと捉えられるのだが、私のような節穴以下の目では、とにかくあちこちキョロキョロして探しまわるしかない。
前述したように、視線を下に持って行ったり、上に向けたりしていると案外、「おっ?」という場面に遭遇する。
だから、まちがっても人と同じ所でカメラを構えないこと、と私は肝に命じている。
美しい花を取りたければ、花を画面いっぱいに入れたくなるが、あえて花の下から撮ってみる。
そう、あまのじゃくな人は案外良い写真を撮れるのかもしれない。
まとめ
自分はどんな写真を撮りたいのか、をまず知る。
感動に任せてシャッターを切らない。とにかく自分の目でじっくり見てからカメラを構えよう。
視線を変えてみるだけで、劇的に写真が面白くなる。
料理の写真は、センスいるかも。。。背景などを入れてレストランやカフェの雰囲気を入れておくと写真を見返す時に思い出が膨らむ。
ザ・観光地は記念写真に徹する。時間をかけても写真を撮っても、狙ったようにはいかない場合がおおい。専門家の写真かポスターを買った方がいい。
人が撮っているところは、自分が写真を撮る場所ではない、と肝に銘じる。シャッターチャンスはこちらから探す。
写真の専門家みたいに偉そうに書いたが、これらはほぼ写真プロダクション時代の仲間から学んだことの受け売り。。。(ありがとう、みんな!)
どうぞ、観光名所の記念写真だけでなく、その街にしかない空気を感じ取れる写真をどんどん撮っていただければ、嬉しく思う。
今日の紹介
写真の話だったから、今日はベタにカメラの紹介。
先週の土曜日に早起きをして出かけた蚤の市で見つけた。(土曜日の早起きはつらい。。。)
“Genos”、1950年代のドイツ製のボックスカメラ。
120mmフィルムを用いるタイプのようだ。
外側はベークライトでできていて、かなりしっかりした革のカバーもついている。
蚤の市のおじさんは、わたしを見てすぐに言った。
「日本人だろ?」
そうだけど。。。とわたしは答えて、おじさんの次の言葉を待った。
どうやら、わたしがいきなりそのカメラを触らず、おじさんにカメラを見せてもらいたい、と断ったことが好印象にうつったらしい。
日本人はいつも静かで丁寧で、賢い、とおじさんは続けていった。
「私、日本人だけど、パートナーと大喧嘩して、ブチ切れたこともあるし、バカなことなんて1日最低一回はしてるわよ!」
というと、
「そりゃそうだろう、わかるよ。だけどな、ドイツ女性なんか1日に3回はブチ切れて、口を開くたびに自分がバカなことをさらけ出してやがる。」
どうやら、おじさん、奥さんと喧嘩中のようだった。。。
カメラを抱えて早々に退散した。
こ〜んなカメラも紹介しています。フランス製。よろしければ、ぜひ!
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