昨日の夜、ガラスのアート作品を多く収蔵している、とある財団のオープニングパーティによばれた。

また、やらかしてしまった。

また、やらかしてしまった。

ドイツ人は大体において、コンセプトがはっきりとした、主張のあるアートが好きだ。この展示も、明確な主義主張が感じられて、見る側は議論や意見交換を自ずとしたくなる。

作品を見に来たのか、作品をダシにして話をしに来たのか?

話に夢中になるみなさん。

話に夢中になるみなさん。

キューレーターが作品解説をすると、多々の質問が飛び交う。本当にのんびりとゆったりと自分の好きなようにアートを見ることができない国民だ、全く!

そんな生意気な不満を胸にしていたからだろうか。。。

 

 

階段で転んだ。

 

 

パーティのような大勢の人の前で、またちょっとだけオシャレをしてきたのに、そういうときに限ってこんなことになる。

こういうのは、私の典型的展開だからか、隣にいたパートナーは、全くこの状況にビクともしていなかった。たいしたものだ。

 

 

しかし次の瞬間、彼は顔を青くした。

 

 

私は手にしていた赤ワインを白い壁にぶちまけていた。

自分の洋服には一滴の赤ワインのシミもついていなかったが、白壁は恐ろしい殺戮が行われたかのように赤い液体が滴っていた。

財団の方々はもちろん私の足や腰の具合を心配してくださり、壁のことなど意に介さない、という素振りをしてくださった。

 

 

しかし、私はもちろん真実を知っている。

 

 

赤ワインは本当にやっかいで、洋服についてもシミ抜きが大変だが、壁もまた然り、さらに、こぼれたワインの匂いはなかなか抜けない。

だから、財団関係者が「やってくれたよな、よりにもよって、赤ワインだぜ!」と胸のうちで言っていることは100%確かだ。

大抵の美術館、ギャラリーなどのオープニングには決して赤ワインを出さない。もちろん、私のような輩がいるからだ。

壁のワインはすぐに拭き取られていたが、薄茶色に変色し、飛び散った生々しいワインの跡は、痛々しかった。

 

私がその財団を辞する前に、再度現場を振り返った。

 

その壁の前で、エレガントな御仁が佇んでいた。アートを眺める眼差しをして。。。

 

 

 

その財団に、すっかりマーキングをしてしまった私。今日の紹介は70年代の日付スタンプだ。

50年代のスタンプ

キリッとした男性的で機能的なフォームが美しい。

50年代のスタンプ

取っ手の部分は言わずもがなのベークライト。金属の重たさがスタンプに安定感をあたえる。

このスタンプならば、決してパーティで転んだりはしない。。。

50年代のスタンプ

日付のスタンプだから、いつこれが作られたのかはすぐにわかる。日付を見ると、1970年のスタートになっている。そして終わりは、2009年。つまり今はもう使えない。こんなにしっかりした作りなのだ、もっともっと長く使えるようにしておけばよかったのに、と悔やまれる。

おかしいのは、スタンプの会社名も何もない。この潔さも私の好みだ。