私は眠る際に、必ず必要とするものがある。
これがないと眠れない、言い換えれば、それさえあれば安心して眠れる。
足が冷たいとか、寒い日だから、とか関係なく、私の夜の必需品は湯たんぽ。真夏の寝苦しいほどの熱い日(そんな日はあまりこちらにはないが。。。)以外は、ほぼ年中必要なのだ。
温かいお湯を入れた湯たんぽに足を乗せると、今日したパートナーとの喧嘩もすぅ〜っと忘れられるし、全てを許せるような気がする。仕事でうまくいかないことがあっても、悲しいことがあっても、湯たんぽが私の身体から吸い取るってくれるような気がする。
もちろん、旅行にも必ず持参する。旅行する際によく思うのだが、飛行機内で眠れないのは、湯たんぽがないせいだ!と。
それくらいに湯たんぽ依存症。
「ライナスの毛布」とも言われるsecurity blanket(ブランケット症候群)と言われてもしかたない。
これに迷惑をしているのは、もちろんパートナーだ。
私のすぐ横で眠っている彼は、まるで赤ん坊のように夜中に身体をバタバタと動かす。そうすると私の湯たんぽに行きあたり、足を乗せたままで眠り、暑くて目がさめる。
すると、目が覚めた怒りが湯たんぽに向かうわけだ。
お湯がしっかりと入っている湯たんぽを彼は足で突き飛ばす。
もちろんドスン!と鈍い音を立ててベッドから湯たんぽは落ちる。
湯たんぽを突き落とした張本人は、安心してすでに高いびき。
私は、その音で目が覚め、半分眠った頭で「私の湯たんぽはどこ?」と考えつつ、両足をすりすりと動かしながら探す。
当然、ベッドから落ちているのだから、見つかるわけはない。
「あ〜あ、またか。。。」
と私は真っ暗な中、ベッドから起きて湯たんぽ探しをする。
毎晩眠る前になると、私は空の湯たんぽを持って、お湯を沸かす。
すると、パートナーは必ず私に近づいて、これ見よがしに大きなため息をついて言う。
「そろそろ、湯たんぽ片手のおばさんじゃなくて、エネルギーに溢れかえって、『冬でも暑くてしかたないから、裸で寝るわぁ〜!』なんて若くてセクシーな美女と交換する時がきたなぁ」
私はそんな彼を横目でギロリと見て、
「『君のかわいい冷たい足を温めてあげるから、さぁ、こっちへおいで!』なんて情熱的な彼を見つけたら、こんな湯たんぽなんておさらばよ。あなたのセクシー美女に譲るわよ、この湯たんぽ!」
などと馬鹿げた会話を今日もする。
今日の紹介
今日の紹介は、湯たんぽと言いたいところだが、dahle 77の鉛筆削りだ。
Dahle社は、1930年から続く、文具、特に切ったり、削ったりのプロダクトを中心に作っている会社だ。
この鉛筆削りの色合いをみると、私は「ドイツ的だよなぁ!」と思ってしまう。
ドイツはお日様が出ることがあまりない国なので、ビビットな色味を作ることが苦手な国なのではないかと私は思っている。この鉛筆削りも金色でもなく、黄土色でもなく、不思議な色をしている。実は私はドイツの色味が好きではないのだが、こうした色をみると、製品を裏返して製造国を確認しなくても、「ドイツ製」と言い当てられるのは、ある意味、すごいことかもしれない。
私のパートナーと私は、性格的に真反対、好き嫌いも真反対、というやっかいな二人なのだが、こと鉛筆削りに関してもやはり好みが違う。
彼は、文房具をこよなく愛する人なので、鉛筆一本でも大事にする。dahle 77の鉛筆削りのように、鉛筆をガシッと爪で挟み込むタイプの鉛筆削りは、鉛筆のサイドに傷がつく。これが気に入らないらしい。
そう言われれば、まさにそうなのだが、私は、鉛筆の横腹に爪痕がつくことよりも、鉛筆を差し込み、ハンドルを回す時の、心地よい手応えやその仕組みの素晴らしさの方に目がいってしまう。
私たちは、暑いの寒いの、と言っては対立し、これがいいの、あっちの方がいいだの、まとまらず、本当に何をするにも、何を決めるにも時間がかかる。だから、いつまでも私は寝る際に湯たんぽを手放せないでいるのかもしれない。
















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