私が外国映画を初めて観たのは、ウェストサイドストーリーだった。
しかし、何も自分から観たい、と言ったわけではない。
当時14歳だったいとこが、この映画を観たくて、私たちの兄妹を誘った。兄は11歳、姉は9歳、そして私は6歳だった。どうして、彼はこんな小さないとこたちを誘ったのだろうか。。。
あれから、何度もこの映画は観たし、舞台のウェストサイドストーリーも観た。だからもう、6歳時の記憶なのか、大きくなって観たその記憶なのかは定かではないが、それでも、全く違うアメリカの生活や洋服などを見て、とてもショックを受けたのをよく覚えている。
裾がパッと開いたスカートやら、細身のズボンは、小さい私でもすぐに憧れの対象にすることができた。
現実には、膝の抜けたお古のだぶだぶのズボンを履いていたのだが、気持ちはレースの付いたスカートにパフスリーブのブラウスで、意味もよくわからないのに、
「tonight〜」と姉と二人で歌った。
高校生になって、「カサブランカ」を姉と観に出かけた。
姉も私も感動の涙を流し、そのまま家に帰るのがもったいなくて、二人でカフェに入った。二人とも映画の感動に酔い、お茶を飲むにもイングリット・バーグマンばりに気取っていたはずだ。
その時、姉が言った。
「イングリット・バーグマンのあの濡れたような青い目が素敵だったよねぇ」
一瞬、私はためらった。「青い目?」
その映画は白黒の映画だった。
初めて、男の子とデートをしたのも、映画館だった。
その頃、すでに映画が大好きだった私は、その子と観る映画を吟味した。アクションやホラーは初デート向きじゃない、友情ものはさっぱりしすぎ。あまりにロマンチックなのも気恥ずかしい。
それで選んだのが、スキー選手が事故で足を使えなくなり、それでも立ち直る話だ。前向きだし、ちょっとロマンチックな場面もある。ダイナミックなスキーの場面もあるだろう。。。青春真っ只中の私たちにはおあつらえ向き、なはずだった。
しかし、この映画で、私は不覚にもハンカチをビショビショにして余りあるほどに泣いてしまった。映画館を出て、その男の子は私を見て、ぼそっと言った。
「泣くにもほどがあるよ。。。」
そう、私の涙はハンカチからもこぼれ、スカートにも大きなシミをつくっていた。まるで、お漏らしをしたかのように。。。
もちろん、彼とのデート、2度目はなかった。
映画は常に私の思い出と深くつながり重なり、今にいたる。
今日紹介するのは、ベークライト製の小箱。タイプライター用の替えリボンが入っていた。1950年代の品だと思う。
ペリカン社はスイスに本拠地を置く会社だ。1832年にドイツのハノーファーで科学者のCarl Hornemanが絵の具やインクの工場を設立したのが始まりらしい。
1863年にGuenther Wagnerが経営に参加をし、会社を近隣諸国に拡大し、ペリカン製品を保証するために、当時では珍しかった商標を登録する。それが現在のペリカンの親子の商標だ。
この商標は、時代により変遷があり、それを見ていくだけでも面白い。
最近、仕事でメールを書いても反応が遅かったり、的外れの回答が来ることが多い。そこで、メールを控えて、大事なことはタイプライターで打って、手紙で送ろうかしら、と本気で考えている。
秘書がスタイリッシュな装いにつり上がったメガネをかけて、パチンパチンとタイプをたたく映画の場面がすぐに目に浮かぶ。
私がタイプを打つ姿は、到底そういうわけにはいかず、チンパンジーがおどけてパチパチとキーをたたく。。。まぁ、そんな感じだろうか。
















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