「病汚くあってはいけません。」と子供の頃に母にしばしば言われた。
「病汚い」とは、たとえば、小さな怪我をした際に、必要以上に「痛い」だの、「つらい」だの大袈裟に騒ぎ立てることを意味する、母独特の言葉使いだ。
小さい頃、病気になって、そのつらさを母に訴えると叱られるのだから、たまったものではない。
そのように厳しく躾けられたおかげで、私はめったに自分の体調の悪さを表に出さない、と言うか、出せない。
若い頃に体調を崩して、入院をしたことがある。
大したことはなかったのだが、入院をしたその日の夜は、痛みが強くて一睡もできなかった。しかし、私はその痛みを看護師さんに訴えることをしなかった。次の日の朝。お医者さんが回診の際、不思議そうに私に尋ねた。
「昨日の夜は、かなり苦しかったはずですが? なぜ、看護師に痛み止めをもらわなかったのですか?」
「痛い」「かゆい」「苦しい」「つらい」を押さえ込むように躾けられたせいで、必要以上に我慢強くなってしまっているようだ。
先日から私は風邪をひいている。仕事の忙しさと重なって、体調は最悪。頭はガンガンするし、喉はヒリヒリ。
しかし、いつものようにそれをグッと我慢して、仕事をやってしまう。
私のパートナーは全く反対で、病気にとことん弱い。
私の風邪をもらってしまって、昨日の夜中から咳き込んでいる。
すると、隣で寝ている私を揺り起こして言う。
「咳が出て眠れない。」
「肺のあたりが痛いような気がする。肺炎かもしれない。」
などと、この世の終わりのように大騒ぎを始める。
そのくせ、私が咳止めを飲ませてあげたら、1秒もしないうちに高いびき。。。私がたとえ彼に砂糖水を飲ませたとしても、薬を飲んだ、と安心して寝てしまうに違いないのだ。
私はといえば、彼のバタバタにつきあったために、目が冴えて眠れない。。。
そして、今。
私がこうして書物をしている横で、
「風邪が元で亡くなった人がいっぱいいるんだから、もっとやさしくしてくれてもいいんじゃない?」
とか、
「きっと、インフルエンザだ、これは。今夜は熱が出るぞぉ!」
などと一人でボソボソ言っている。
いえ、いえ、ただの私の鼻風邪がうつっただけですから、ご心配なく!
あ〜、今夜も安眠を妨げられそう。。。
今日は、イエナグラス製の哺乳瓶。ネスレの社名、Saugflasche(哺乳瓶)の文字とかわいい絵が施されている。1960年代に作られたらしいが、真新しく見えるほど綺麗な状態だ。
哺乳瓶は、どこで誰が発明したのかは、諸説あるらしいが、世界同時多発的に誕生したのではないか、というのが本当のところらしい。
この哺乳瓶は、子供部屋の花瓶にすれば、きっと似合うだろうなぁ、と思っている。
我が家には、病気に弱く、食欲旺盛で、自分の不具合を大きな声で訴える、とてつもなく大きな赤ちゃんがいる。
今日は、お見舞い方々、彼のベッドのそばに、この哺乳瓶に小ぶりなチューリップの花でも差して飾ってみようか。。。















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