私の仕事は、お客さま相手だから、それなりに会話をしなくてはならない。

いろんなカップルが、そして友人がここでは主張しすぎの会話に悩んでいるのではないか、と私は思っている。

いろんなカップルが、そして友人がここでは主張しすぎの会話に悩んでいるのではないか、と私は思っている。

 

 

一日に訪ねてくるお客の数は多くても10人くらいだろうか。前にも書いたように、少ない訪問者ながら、様々な方たちがいらっしゃり、さまざまな話をされる。

 

たぶん、私と一言も話を交わさずに帰って行く方は案外に少ないように思う。

 

まずは、一応仕事の話は私の方からさせていただく。しかし、それ以外は自分からはあまり話さず、相手が何を話したいのか、何を尋ねたいのかをまずは、ゆっくりと待つことにしている。

 

 

ドイツ人は主張の大変強い国民だ。

 

背中からでも主張を感じてしまう、ドイツ人。

背中からでも主張を感じてしまう、ドイツ人。

 

つまり、日々、自分の話を聴いてもらうために、戦いを挑んでいるような節がある。

誰もが自分の主張を伝えたいと意気込んでいるのだから、まぁ、自然に戦闘化してくるのは、当然だと思う。

おまけに相手の話はちゃんと聴かず、相手が話しているその間に、自分が次に何を話すかを頭の中で考えているんだから、本当にタチが悪い。

 

 

私も、日頃パートナーに話を聴いてもらおうと努力はしているが、めったにちゃんとは聴いてもらえない。

ドイツ語も日本語のように文章の最後まで聴かないとイエスかノーかがわかりにくいにもかかわらず、途中でバンバンと遮ってくる。

時には、「そんな話など興味はない。」とバッサリと切って捨てる。情け容赦ないこと、甚だしい。

 

 

本当にドイツ人との会話は、激しいスポーツのようだ。

 

 

だから仕事の際は、お客様に話をまずはさせてあげることにしている。

各人、話のテーマは千差万別、私の知らないことも多く、実にいろんなことをお客さんから学ぶことができる。

 

昨日は、髪を炎のような赤に染め上げ、真っ赤なマントに赤い靴の女性がいらした。年の頃、60代後半だろうか。私はどちらかというと、気取った感じの方は苦手だが、彼女は赤いスタイリッシュな全身とは裏腹に、穏やかで親しみやすさを醸し出していた。

 

子供の頃から日本に憧れて、一度は行きたい国なのだ、と私に話した。

 

「本当に夢に見るほど憧れていたし、私の知っている日本人はみんな静かでエレガントで細やか。そんな人たちの住む国に行ってみたいじゃないの?!でも、福島の原発問題とその後の国の対応を見て、行きたいけれど行ってはならない国になってしまったのよ。」

 

そんな話の展開になると、返事もできないではないか。。。

自分の国を、それでも良い国だ、と胸を張って言えないのは、やはり苦しいし、つらい。

 

 

しかし、彼女は私の答えなど待っているわけではない。

 

 

話し終わると、いやにすっきりした顔をして

 

「あなたと話すのは、気持ちがいいわ、楽になるというか。。。また、来るわ!」

 

正直に言うと、私はほとんど話をしていない。話の時々に水を差さない程度に相槌を打ち、話が逸れないように短い質問を挟んだり、同意をしてあげただけだ。

 

 

いかに普段ドイツ人たちが会話に苦労しているかを、こうして毎日身をもって感じている。

 

 

もしかして、私は職業を誤っているのではないか、明日からでもセラピーを開くべきじゃないか、と本気で思っている。

 

 

 

話をする際には、やはりお茶は欠かせない。コーヒーよりはお茶の方が長居をしやすい。なぜなら、二杯目のコーヒーはあり得ないけれど、お茶ならば何杯でもお代わりできてしまうから。

 

 

イエナグラス カップ

 

 

ひょんなことから、この耐熱ガラスのカップを手にいれた。

 

 

蚤の市でよく出会うロシア人のおじさんのところで、私の好みの良い品を見つけた。買いたいが、少々高い。おじさんに安くしてほしいと粘ったら、このイエナグラスのカップをつけて、そしてほんのちょっぴりお安くしてくれた。

 

耐熱性に大変優れたイエナガラスの製品は、見た目もシンプルで美しい。多分日本人好みするフォームだと思う。

 

イエナグラス カップ

 

 

とにかく、ものすごく得をしたような気になってウキウキして帰る途中に、本来欲しくて買った品を落として、割った。。。

 

 

イエナグラス カップ

 

 

さきほどは、セラピストになった方が良さそうなどと、豪語したが、やはり私はセラピーを受ける側に回った方がよさそうだ。