今日は、ファッシング。
ケルンなどの地方では、カーネヴァルと呼ばれるが、南ドイツのここではファッシング。
キリストの生涯の重要ポイントがこちらでは祝日やイヴェントになる。
キリストが死して三日目に復活したことを祝う復活祭(Ostern)。その前に四旬節(Fastenzeit)がある。四旬節(Fastenzeit)は、復活祭前の46日間、祈り、断食、慈善を行う、節制の時なのだが、その節制の日が始まる前日は、大いに飲んで、食べて楽しもう!という、それがこのファッシングだ。
仮装をして馬鹿騒ぎをしたり、大いに飲んで楽しむのだが、私は正直言って、このファッシングがあまり好きではない。仮装を毎年あれこれと工夫して楽しむ人も多く、それはそれで楽しそうだが、私にはどうしてもこうした文化習慣を自分のものにできない。でも、ひっそりと数人で大いに飲んで食べるのは、大好きである。
この時に食べるのが、Krapfen(クラップフェン)だ。揚げパンと言えばいいのだろうか、中にはジャムが入っていたり、リキュール入りのクリーム、チョコレートなどなど、無数のヴァリエーションがある。Krapfen(クラップフェン)は、ファッシングが近づいてくる頃から、パン屋にずらりと並ぶようになる。そして、今日は、Krapfen(クラップフェン)売上がうなぎのぼりになる日だと思う。見る人、みんなKrapfen(クラップフェン)を食べているほどだ。
私はどうがんばっても1個食べるとゼイゼイするけれど、私の周囲のドイツ人は軽く2個はペロリだ。
今日は、パートナーの友人たちと、南ドイツの名物料理の一つ、白ソーセージにビール、シャンパンにKrapfen(クラップフェン)という、私には修行のような朝食をみんなで食べた。
こうしたカトリックの祝日には、何かしらの伝統や習慣が必ずひっついている。ファッシング=Krapfen(クラップフェン)、復活祭(Ostern)=卵とか。。。
こちらには、四季の移り変わりがあまり明確ではない。一年中天気に恵まれず、寒い日が圧倒的に多い。人々に四季を意図的に感じさせる目的で、こうした伝統習慣が長く続いているのではないかなぁと、私は思っている。
お店にKrapfen(クラップフェン)が並ぶと、
「ファッシングが近いのね。」と感じるし、
色とりどりのゆで卵をスーパーで見かけるようになると、
「春が来る!復活祭ももうすぐだ!」
気が早いが、復活祭の近づくと、大いに活躍するだろう、チョコレート型を紹介する。
上部の留め金がw字になっているのは、チョコレートを流し込む際に逆さまにして立てておくためである。
復活祭のシンボルとしてウサギがしばしば登場するが、これはウサギは、子だくさん。つまり繁栄のシンボルだ。また、イースターエッグ(復活祭の卵)を運んでくるんだとか。。。
日本にもヒヨコ饅頭なるものがあるが、どうも私は動物をかたどったケーキやチョコレートなどを食べる気がしない。頭からガブリとやるも、お尻からパクリとするのも、良心が痛むというか、胸のどこがチクリとして、背中のあたりにヒヤッとした感覚が流れる。
また、頭を無くした、あるいは、まさに尻切れになったこうしたチョコレートなどが、テーブルにコロンとあると、痛々しくていたたまれない。
このチョコレート型には、Kaiser, made in W-Germanyの刻印がある。Kaiserは、WMFグループの一つだ。WMFグループは、1853年に食器などのメタル製品の会社として設立をされた。現在、WMFグループは5つのブランドを抱えて世界展開をしてるが、Kaiserはその一つにあたる。
多分、ドイツのどこの家庭も、WMF製品の何かしらはキッチンに持っているだろう、と思われるくらい人々に親しまれているキッチンブランドだ。
満腹感と酔いで、ふらふらになって家に戻ってきた。
帰るなり、私のゆうに3倍は食べたパートナーは冷蔵庫を開けて
「今日のお昼は何にする?」
あ〜、ドイツ人の胃袋には到底かなわない。。。
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