私が相方のイタリア人と知り合ったのは、かれこれ10数年前になるが、知り合った当初はなかなか粋なことをする人だなぁとかなり感心をしていた。

自分の好きな曲をまとめてCDにして送ってきてくれたり、誕生日にはお花を届けてくれたり。。。今の彼を知っているだけに、当時は相当にがんばってくれていたんだなぁ、と思う。

なかでも一番私を喜ばせたのは、手紙だ。当時、私たちは、すでにメールやスカイプなどで頻繁にコンタクトをしていたが、自筆の手紙はやはり格別だった。とても上質でシンプルな便箋に万年筆で書かれた文章は、内容よりも、彼の性格が読み取れる美しい筆跡が嬉しかった。

その手紙にほだされて、はるばるこんな所まで来てしまった私だが、こちらに来てちょうど一ヶ月経った日、彼はわたしに一本のバラの花を差し出した。

「今日は日本から来て1ヶ月目の記念日。これから毎月、一本ずつバラの花を増やして贈ってあげるよ。」

今考えても歯が浮くような話だが、やっぱりこの一ヶ月目の一本のバラの花を最後に二度と私は受け取ることはなかった。本来ならば、はるか100本以上の花束を受け取れるはずなのに。。。

 

 

今や、個人的に手紙がくることは滅多になく、来るとすれば、請求書の類、というなんとも味気ない世の中になってしまった。しかしだからこそ、個人的な手紙をもらうと、ほんとうにワクワクする。

このレターオープナーは事務的な感じのするシンプルなものだが、面白いのは持ち手がシルバーであること。重みのあるシルバーと軽く安価な感じのするアクリル製のアンバランスさが面白い。

さらに、アクリル部分は20cm物差しとしても使えるようになっていて、そのアイデァも秀逸ではないか。持ち手にはシルバー800の刻印がある。このシルバー800とは、80%シルバー含有量の金属という意味になる。アクセサリーや銀食器に使うのは、たいてい925、あるいは800である。

また、シルバーの刻印とは別にEternitという刻印も見える。これは、ハイデルベルグに本拠を置く建築資材の会社の宣伝用物品のようだ。様々な素材を扱っているらしいので、こうした面白い組み合わせの珍しい逸品を配ったのだろうか。

 

レターオープナー

シルバー、アクリル板

2,3 x 28,5 cm

事務的な雰囲気がするほどシンプルだが、実はエレガントな素材を使っている。

事務的な雰囲気がするほどシンプルだが、実はエレガントな素材を使っている。

シルバーとアクリル。この組み合わせは意外。また物差しとして併用できるのは機能的でもある。珍しい逸品。

シルバーとアクリル。この組み合わせは意外。また物差しとして併用できるのは機能的でもある。珍しい逸品。

持ち重りのする取っ手なので手になじみやすく、使いやすい。

持ち重りのする取っ手なので手になじみやすく、使いやすい。

 

 

 

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