私はひどい方向音痴だ。

高校時代の地理の先生が私に言った。

「大昔だったら、君は家族とすぐに生き別れになるか、森の中で迷い、動物たちの食い物にされているだろうね。」

その通りだと思う、現代に生まれていて助かった!

 

地理に弱いくせに旅行好きだ。

一人旅は到底できないので、必ず相方と出かける。彼も私のことをよくわかっているので、旅先に出ると必ず言うことがある。

「旅先でぼくにつっかからない方が良いと思うよ。二度と家に帰れなくなるでしょっ!」と。悔しいけれど、その通り、というほかない。

 

とある旅先でのこと。

ホテルで朝食を取り、相方がちょっと買い物をしてから戻るというので、私は一人で先に部屋に帰ることにした。

カード式のホテルのキーには部屋番号が記載されていなかったが、運良く私たちの部屋は角だったし、小さなホテルだったので間違いようもない。

しかし、部屋の前でカードを差し込んでもドアが開かない。何度繰り返しても開かないものは開かない。ちょうどそこへホテルの方が通りかかったので、ドアが開かず入れないことを訴えた。彼も何度も試してくれたがダメだ。

彼は私に何度もお詫びを言いつつ、すぐに新しいカードを用意をしてくれた。

この角部屋は少し変わった形をしていて、ドアを開けると長い通路が続き、お風呂やトイレ、クローゼットなどが通路側に面してある。奥に進み部屋のドアを開けると、結構広い素敵な部屋が広がっていた。

その部屋のドアを開けて入るとどうも変だ。私は割合几帳面な方なので、朝起きるとまずベッドを整えるが、そのベッドが寝起きのままなのだ。

この時点でおかしいぞ、と頭のどこかでセンサーが働くはずなのに、この朝はどうかしていた。

私は丁寧にベッドを整え、テレビをつけて相方が帰るのを待つことにした。ベッドにあぐらをかいて座り、テレビの前に陣取りチャンネルをカチャカチャ動かしていた。

すると、部屋のドアが開き。。。

全く見ず知らずの男性がタオルで体を拭きながら入ってきた。

私もベッドから飛び落ちるほど驚いたが、彼の方は大声をあげて、入ってきた部屋のドアから出て行ってしまった。そしてしばらくして通路から私に、

「ぼくが部屋をまちがえてる?」と恐る恐る尋ねてきた。そんなはずないのに、である。

私は、その時になって初めて、部屋の中をぐるりと見渡した。私たちの荷物は何一つなく、彼のらしい靴や服がところどころにに散乱をしている。

私は彼にひたすら謝り、部屋をまちがえてしまったことを詫びた。どうして私が違う部屋のカードキーで開けることができたのか、などなど説明しなくてはならないことは山のようにあったのだが、二人ともそれを話したり、聴いたりするには動揺しすぎていた。私は何度も何度も頭を下げ、彼は、といえば、バスタオルでしきりに裸の体を隠しながら、大丈夫、大丈夫を繰り返すだけだった。

一階上の階に戻ると、ちょうど相方が部屋の鍵を開けるところに行き当たった。彼は、私の方が先に部屋に戻っているはずなのに、どうして自分より遅く帰ってきたのかを不振がる。すべての経緯を話し、その日の夜に二人で彼にあやまりにでかけたのは、言うまでもない。

旅行はいつも予期せぬことばかり起こるアドベンチャーだが、私の場合、自分で何かしらの面倒を引き起こしてしまう。

 

どうやら最近、相方は旅先では私につっかからないように、そして目を離さいないようにしているようだ。私をひとりにさせるほど大変なことはないと、やっと悟ったらしい。

 

このコンパスは、ミリタリー用。Rathenowは光学機械の会社として1801年に創業を始めた。1845年からEmil Buschが加わり、発展をさせた。彼の作ったコンパスは二度の世界大戦で多くの兵士に使われたが、戦後この会社は二度とコンパスをつくらなかった。

そういうことで、Rathenowのコンパスは時期が限定をされることからコレクターの間では大事にされている。

 

 

Rathenow コンパス (皮ケース付き)

ベイクライト、金属、皮革

1940年代

ø6,0 cm

コンパスを使いこなして、山歩きをしてみたい。

コンパスを使いこなして、山歩きをしてみたい。

妥協のない計算尽くされたフォーム。

妥協のない計算尽くされたフォーム。

肩から掛けられるようにたいへんしっかりした皮のケースが付いている。

肩から掛けられるようにたいへんしっかりした皮のケースが付いている。

 

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