度々蚤の市にでかけると、売り手の人たちから覚えてもらえる話はすでにしたが、何度も同じ人から買っていると、古くからの友人かのようになる。
モスクワ出身というおじさんも半プロである。現在失業中で、前々から集めていたものを売りに出しているらしい、彼のコレクションは多岐に渡り、大きな家具から女性用の繊細な時計、あるいは子供用のおもちゃまで。

私は蚤の市にでかけると、まずこのおじさんのところに挨拶に行く。

「調子はどう?何かいい物ある?」

すると、テーブルの上に出してある物ではなく、彼のポケットやら、カバンをゴソゴソとやって、彼のお気に入りを見せてくれる。シルバーの懐中時計、上物の万年筆、なかなか手に入らない美しい小瓶。。。これらの品は、彼のコレクションなので売ってはくれず、ロシア訛りのドイツ語で延々とその品の説明をしてくれる。また、私が違う場所で何か買った、と言えば、「見せてごらん、変な物をつかまされているんじゃないだろうね」とチェックしてくれる。

先日のこと。私がおじさんの前を通りかかったら、上品そうなご婦人にワニ皮の美しいハンドバッグを懸命に説明をしていた。商談中に邪魔をしたくなくて通りかかろうとしたら、彼の言葉が耳に入った。

「あなたにだけ特別価格でお譲りしますよ。普段の価格の半分です。」

えっ?それって私にいつも言っている言葉じゃない。。。

 

彼の言う特別価格で手に入れたルーペ。ルーペを使う機会はあまりないけれど、手元にあるとなぜかあれもこれも拡大してみたくなる。小さいが重みもあり、愛着の湧く一品。ひととき、童心に帰ることができる。

 

ルーペ (1940年代)

レンズ、シルバーメッキ

h9,0 x ø5,5 cm

手にすっぽりと収まるサイズで愛着が湧く。

手にすっぽりと収まるサイズで愛着が湧く。

 

書斎にこもって、かたっぱしから拡大して楽しむ。こうした無駄に思える時間もまた良い。

書斎にこもって、かたっぱしから拡大して楽しむ。こうした無駄に思える時間もまた良い。

 

 

 

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