「ユーガットメール」(You’ve Got Mail、ユーガットメール)という映画をご存知だろうか。
1998年にアメリカで公開されたアメリカ映画。トムハンクスとメグライアン(前は可愛かったんですよねぇ。。。)主演のロマンチックコメディだ。
おおまかなあらすじはこうだ。
ニューヨークの片隅で、母親の代から続く老舗の小さな絵本専門店「街角の小さな本屋さん」を経営しているキャスリーン(メグ・ライアン)。彼女には同棲している恋人がいるがインターネットで知り合ったハンドルネーム「NY152」の彼とのメールのやり取りに夢中。
そんな時、キャスリーンの店のすぐ側に、カフェを併設した値引き商法の大型書店「フォックス・ブックス」が開店。どんどん客は奪われ売上は落ち続ける。このままではキャスリーンの店は潰されてしまう。実はこのフォックス・ブックスの御曹司ジョー(トム・ハンクス)こそが「NY152」の彼だった。キャスリーンとジョーは実生活では商売敵として顔を合わせれば喧嘩ばかり。だけど家に帰れば「Shopgirl」と「NY152」として、その日にあった事をメールで報告したり、お互いを励まし合う間柄に。メールを通じて、ふたりはますます惹かれ合っていく。お互い相手の正体に気付かぬまま…。(ウキペディアより抜粋)
実はわたしとパートナーは、この映画と良く似た形で知り合った。パートナーは大型書店の御曹司もなかったし、わたしもかわいい絵本の専門店を経営していたわけでもないが。。。
一度もあったことのない人と、ひょんなことからメールをすることになり、日頃の生活のこと、ちょっとした悩み、楽しかったこと、悔しかったこと。。。つまり何でもないたわいのない話を二人でメール交換して、普通に楽しんでいた。
惚れたはれた、なんて話は全くしなかったはずだ。
一年以上メールの交換をして、初めて彼の家、つまり今わたしが住んでいるここで会った。
ずっとあとになって、パートナーの弟はわたしに言った。
「あの時はよく来たよね、もしかして彼はメールでは優しいふりをした殺人鬼だったかもしれないじゃん?!」
そうだよなぁ。
今だったら、絶対にしないよなぁ。。。
若気の至り、というやつだ。
初めて来た、普通のドイツ人(パートナーはイタリア人ではあるが。。。)の家はとても珍しかった。
何が珍しかったのか、あげてみよう。
天井が高く、照明が暗い。
ドイツ人は体つきが大きいのだから当たり前なのかもしれないが、何から何まで作りが大きいという印象を持った。この家は一軒家なので、さほどびっくりするほど天井は高くないが、 Altbauwohnung(アルトバウボーヌング)と呼ばれる古い時代に建てられたマンションなどは、大変高い天井になっている。
天井に照明がない場合も多く、間接照明でほの暗い中で暮らしている感じだ。
わたしが初めて彼のお家にやって来た時には、食卓にキャンドルを灯して、なかなか素敵な演出で夕ご飯をふるまってくれた。
今は食卓にちゃんとついてご飯を食べましょう!と提案する私に、
「ソファでテレビを見ながら食べようヨォ!」と子供みたいにダダをこねる。
ロマンチックな時代は長くは続かないものだ。
部屋に収納する場所がない。
日本だったら、部屋に押入れがある。
新しい家などを検討する時は、どういう風に収納場所を作るかはとても大事だろう。
こちらの家は極めて単純で、部屋は単なる箱だ。
そこに収納できる家具を置いていく。
我が家にも部屋ごとに収納するスペースは全くないので、タンスを置いたり、サイドボードを置いたりして収納を後付けするしかない。
あるいは、小さな部屋をウォークインクローゼットとして、丸ごと収納に使うかだ。
結構部屋自体が大きいから家具をドカンドカンと置けるのだと思う。
もし、私がドイツで家を建てることができるならば、ドイツのクオリティで、日本の収納アイディアを取り入れた家を建てたい、と思っている。
浴室に絵がかけてある。
日本の家で浴室に絵や写真を掛けている家がどれだけあるのだろうか。
家の中で最も湿気がこもり、絵なんか掛けていたらすぐにカビてしまいそうだ。
私がここに住むようになってから少し絵を変えたが、それでも浴室には何枚もの絵がかけてある。それもポスターとかではなく、ちゃんとした写真や版画の作品だ。
やはり、いかにドイツは乾燥しているか、ということに尽きるのではないだろうか。
それから、湯船につかる習慣がないのも大きいかもしれない。
風邪をひいた時には、強いハーブの入浴剤を入れて30分くらいお湯につかって汗を出す。つまり風邪をひかないかぎり、お湯につからない。
これも湿気を溜め込まない原因かもしれない。
網戸がない。
日本で網戸のない窓はあるんだろうか。
まず、めったに熱くならないこちらでは、蚊に刺されることがあまりない。ハエなども入ってはくるが、それほど気にならない。
日本の夏に、電気をつけたまま網戸なしで窓を開けたらどういうことになるのだろう、考えただけで恐ろしい。。。
窓といえば、こちらは結構な頻度で窓拭きをする。
私などは仕事にかまけてさぼりがちだが、それでも時間があれば、「窓拭き!窓拭き!」となる。
もちろん忙しい人のための窓拭きおじさんも良く見かける。
以前Putzfrau(プッツフラオ、お掃除をする女性)私の生活クオリティをあげたい。のことはお話をしたが、窓ふきはなぜかおじさんの仕事のようだ。
かれらの窓拭きは、踊るかのようにスキージを動かしてあっという間にピカピカに仕上げる。
かれらの動きを私も観察しているが、やはりプロのようにはうまくできない。
窓拭きをよくするのは、カーテンをあまり引かない習慣があるからだと思う。
日暮れの早い冬になると、間接照明で照らされた家の中をうかがい知ることができる。
日本の場合は、家の中を人に見られたくない、という思いから、夕方になるとさっさとカーテンを閉めてしまうが、こちらは家の中を見て欲しいのか。。。というほどだ。
まぁ、じっくりと家の中を覗き見る人はいないが、チラチラと視線に入ってくる家の様子は、どこも温かみがあって快適そうに見える。
特にクリスマス前は格段だ。
大きな光り輝くツリーが各家々にみられる。それは、本当に絵本の中に出てくる一場面のように美しい。
まとめ
ドイツの家と日本の家は、大きく違う。
天井が高い・ まぁ、体つきが違いますから。。。
収納がない・ 日本の家には本当に工夫が詰め込まれているなぁ、と感心する。それにひきかえ、ドイツの家は、箱を組み合わせただけだ。
浴室に絵がかけてある・ 湿気の違いだろうか、湯船につからないからだろうか。浴室に絵があったりするのは素敵なアイディアだと私は気にいっている。
網戸がない・ 暑くなりにくいドイツでは必要ない。網戸がない方がすっきりとして見える。窓拭きをこまめにするのは、家の様子を美しく見せるため?!
今日の紹介
ガラスのスライド。
テレビがなかった時代にガラスに印刷したスライドを投影機で映し出し、それを見て楽しんだようだ。
単に投影機の前にこのスライドを置き、スライドを少しずつずらしながら見るだけだ。お話はついているのだが、簡単な説明だけの場合が多く。多分大人や年嵩な子供たちがその話を大きく膨らませながら見せたのではないだろうか。
子供たちは映し出されたライオンをみて、勇壮に歩いているところを想像し、おさるが木の上で軽々と移動するのを頭の中で描き、目を輝かせて見入ったに違いないのだ。
今の子供達の方が物質的には本当に恵まれているのだが、こうしたスライドを手にすると、こどものファンタジーが無限に広がっただろうこの頃の方が、きっと幸せだったのではなかろうか、と思うのである。
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